喪主挨拶は何を話す?基本的な内容と順番

喪主挨拶

葬儀で喪主を務めることになったものの、

「喪主挨拶では何を話せばいいの?」

「どんな順番で話せばいいの?」

「故人との思い出はどこまで話していい?」

と悩んでいませんか?

喪主挨拶は、葬儀の場で参列者に感謝の気持ちを伝える大切な挨拶です。

しかし、決まった文章を暗記して話す必要はありません。

基本的な内容と順番を知っておけば、故人との思い出や感謝の気持ちを加えて、自分らしい挨拶にまとめることができます。

この記事では、喪主挨拶で何を話せばいいのか、基本的な内容と話す順番、時間の目安、立場別の例文、注意したいポイントについて詳しく解説します。


喪主挨拶では何を話す?

喪主挨拶では、主に次のような内容を話します。

  1. 参列者へのお礼
  2. 故人が亡くなったことへの報告
  3. 故人の人柄や思い出
  4. 生前お世話になったことへの感謝
  5. 遺族としての今後の思い
  6. 結びの言葉

すべてを詳しく話す必要はありません。

特に大切なのは、参列者への感謝と故人への思いです。

「きちんとしたスピーチをしなければ」と考えすぎず、故人を見送ってくださった方々に感謝を伝える場だと考えると、文章を作りやすくなります。


喪主挨拶の基本的な順番

喪主挨拶は、次の流れで構成すると自然です。

基本構成

①参列者へのお礼

②故人が亡くなったことへの報告

③故人の人柄・思い出

④生前お世話になった方への感謝

⑤遺族の今後について

⑥結びの言葉

この順番に沿って文章を組み立てれば、初めて喪主を務める方でも挨拶を作りやすくなります。


① 最初に参列者へのお礼を伝える

まず最初に、葬儀に参列してくださった方へのお礼を述べます。

遠方から来てくださった方や、仕事などで忙しい中時間を作ってくださった方もいるため、最初に感謝の気持ちを伝えましょう。

例文

本日はご多用の中、故人○○の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。

少し柔らかくするなら、

本日はお忙しい中、父○○のためにお集まりいただき、本当にありがとうございます。

という言い方でもよいでしょう。

喪主挨拶では、最初の一言として**「本日はお越しいただきありがとうございます」**という気持ちを伝えることが大切です。


② 故人が亡くなったことについて述べる

次に、故人が亡くなったことについて簡単に触れます。

ここでは、亡くなった経緯を詳しく説明する必要はありません。

参列者がすでに事情を知っている場合は、簡潔にまとめましょう。

例文

父は○月○日、家族に見守られる中、静かに息を引き取りました。

また、

母は長い療養生活を送っておりましたが、○月○日に永眠いたしました。

という表現もあります。

病気や治療について詳しく話す必要がある場合を除き、一文程度で簡潔に伝えるのがおすすめです。


③ 故人の人柄や思い出を話す

喪主挨拶の中でも、故人の人柄や思い出は特に大切な部分です。

ここでは、参列者にも故人の姿が思い浮かぶようなエピソードを一つ選んで話すとよいでしょう。

例えば、

  • 家族との思い出
  • 子どもの頃の思い出
  • 仕事に対する姿勢
  • 趣味を楽しんでいた姿
  • 孫との思い出
  • 家族にかけてくれた言葉
  • 故人の口癖
  • 周囲の人を大切にしていたエピソード

などです。

例文

父は無口な人でしたが、家族のことをいつも気にかけてくれていました。私が仕事で悩んでいたときも、何も言わずに話を聞いた後、「焦らなくても大丈夫だ」と声をかけてくれました。その言葉には、何度も励まされました。

このように、具体的なエピソードを一つ入れるだけでも、故人の人柄が伝わる挨拶になります。


④ 生前お世話になった方への感謝を伝える

故人が生前、多くの方々に支えられていたことへの感謝も伝えましょう。

仕事関係者、友人、近所の方、親族など、故人と関わりのあった方々へのお礼です。

例文

父がこれまで穏やかに過ごすことができましたのも、ここにお集まりいただいた皆様をはじめ、多くの方々に支えていただいたおかげだと思っております。

また、

生前、父と親しくお付き合いいただきました皆様には、家族一同、心より感謝しております。

という表現も使えます。


⑤ 遺族としての今後の思いを述べる

故人を亡くした悲しみだけでなく、これからの遺族の気持ちを述べることもあります。

例えば、

「父から教えてもらったことを大切にしていきたい」

「母が大切にしていた家族をこれからも守っていきたい」

といった内容です。

例文

父がいなくなったことは、私たち家族にとって大きな悲しみです。しかし、父から教えられたことや、父が大切にしてきた家族をこれからも大切にしながら、家族で支え合っていきたいと思っております。

必ず入れなければならない項目ではありませんが、挨拶の最後に向かって自然につなげやすくなります。


⑥ 最後に改めて感謝を伝えて締める

最後は、参列者への感謝を改めて伝えて締めくくります。

例文

最後になりましたが、これまで父に賜りましたご厚情に、改めて心より感謝申し上げます。今後とも私ども遺族に変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

「本日はありがとうございました」と明確に締めることで、参列者にも挨拶の終わりが伝わります。


喪主挨拶の時間は何分くらい?

喪主挨拶は、1~3分程度を目安にするとよいでしょう。

特に決められた時間があるわけではありませんが、あまり長くなりすぎると、参列者の負担になる場合があります。

一般的には、

  • 短め:1分程度
  • 標準:2~3分程度
  • 長め:3~5分程度

を一つの目安として考えるとよいでしょう。

大切なのは時間よりも、伝えたい内容を簡潔にまとめることです。


喪主挨拶は何文字くらい?

原稿を作る場合は、500~800文字程度を一つの目安にするとよいでしょう。

ただし、読むスピードによって必要な文字数は変わります。

葬儀では緊張して普段よりゆっくり話すことも多いため、実際に声に出して確認することをおすすめします。

原稿を作ったら、一度タイマーを使って読んでみましょう。

「思ったより長い」と感じた場合は、故人のエピソードを一つに絞るなどして調整します。


故人との思い出は何を話せばいい?

「故人との思い出を話してください」と言われても、何を選べばいいのか分からない方もいるでしょう。

そんなときは、次の質問に答えてみると文章を作りやすくなります。

故人との思い出を整理する質問

  • 故人はどんな性格だった?
  • 家族にどんなことをしてくれた?
  • 一緒に過ごした時間で印象に残っていることは?
  • 故人から言われて印象に残っている言葉は?
  • 故人が好きだったものは?
  • 仕事や趣味にどのように取り組んでいた?
  • 孫や子どもとどんな時間を過ごしていた?
  • 最後に交わした会話は?

この中から一つでも思い出せれば、喪主挨拶の材料になります。


故人との思い出が思いつかない場合は?

「特別なエピソードがない」と感じる場合も、無理に感動的な話を作る必要はありません。

例えば、

毎朝欠かさず新聞を読むのが日課でした。

晩年は庭の花の手入れを楽しみにしていました。

孫が遊びに来ると、いつも嬉しそうな顔をしていました。

このような何気ない日常の思い出でも十分です。

むしろ、日常の小さなエピソードのほうが、故人の人柄が自然に伝わることもあります。


父親の葬儀で喪主を務める場合の例文

長男が父親の葬儀で喪主を務める場合の例文です。

本日はお忙しい中、父○○の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。

父は○月○日、家族に見守られる中、静かに息を引き取りました。

父は口数の少ない人でしたが、家族のことをいつも気にかけてくれていました。私が仕事で悩んでいたときには、「自分らしくやればいい」と声をかけてくれたことを今でも覚えています。その言葉に、これまで何度も励まされてきました。

父が穏やかな人生を送ることができましたのも、皆様方に温かく支えていただいたおかげだと思っております。生前、父がお世話になりましたことを、家族一同、心より感謝申し上げます。

これからは父から受け継いだものを大切にしながら、家族で支え合っていきたいと思っております。

最後になりましたが、これまで父に賜りましたご厚情に、改めて心より御礼申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。


母親の葬儀で喪主を務める場合の例文

母親の葬儀では、家族との思い出を中心にした挨拶もよく合います。

本日はお忙しい中、母○○の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。

母は○月○日、家族に見守られながら永眠いたしました。

母はいつも家族のことを第一に考えてくれる人でした。私たちが子どもの頃には、どんなに忙しいときでも家族のために食事を作り、いつも笑顔で私たちを迎えてくれました。

大人になった今でも、実家に帰ると「体に気をつけなさい」と声をかけてくれました。その何気ない言葉が、今となってはとても懐かしく感じられます。

母がこれまで穏やかに過ごすことができましたのも、皆様に温かく支えていただいたおかげです。母と親しくお付き合いいただきました皆様に、心より感謝申し上げます。

これからは母が残してくれた思い出を大切にし、家族で支え合いながら過ごしていきたいと思っております。

本日は母のためにお越しいただき、本当にありがとうございました。


家族葬でも喪主挨拶は必要?

家族葬の場合でも、喪主挨拶をすることがあります。

ただし、参列者が家族や親しい親族だけの場合、一般葬ほど形式的な挨拶をしないケースもあります。

例えば、

本日は母のために集まってくれて、ありがとうございます。

家族みんなで母を見送ることができて、本当によかったと思っています。

これからも母のことを忘れず、家族で支え合っていきたいと思います。今日はありがとうございました。

このように、親しい人だけの場では、少し自然な言葉にしても構いません。

ただし、葬儀社から挨拶について案内がある場合は、その内容に従いましょう。


喪主挨拶で避けたい内容

喪主挨拶では、次のような内容はできるだけ避けたほうがよいでしょう。

亡くなった経緯を詳しく説明する

病状や治療内容などを長々と説明する必要はありません。

参列者に必要な情報だけを簡潔に伝えましょう。

故人の悪い面を詳しく話す

故人との思い出として多少触れる程度なら問題ありませんが、葬儀の場で故人を批判するような内容は避けたほうが無難です。

自分の話ばかりする

喪主自身の苦労や悲しみを長く話すよりも、参列者への感謝や故人との思い出を中心にしましょう。

長くなりすぎる

伝えたいことがたくさんあっても、すべて盛り込む必要はありません。

「最も伝えたいこと」を2~3個に絞ると、まとまりやすくなります。


喪主挨拶で忌み言葉に注意する

葬儀の挨拶では、一般的に「忌み言葉」と呼ばれる表現を避けることがあります。

例えば、

  • 重ね重ね
  • たびたび
  • 再び
  • 次々
  • 追って
  • また
  • くれぐれも

などです。

また、「死ぬ」「死亡する」といった直接的な表現より、

  • 亡くなる
  • 永眠する
  • 息を引き取る

などの表現を使うのが一般的です。

ただし、忌み言葉を意識しすぎて文章が不自然になる必要はありません。

基本的なマナーを押さえながら、参列者への感謝をきちんと伝えることを優先しましょう。


喪主挨拶は原稿を見ながら読んでも大丈夫?

喪主挨拶 長男

喪主挨拶を暗記する必要はありません。

原稿やメモを手元に用意して、それを見ながら話しても問題ありません。

葬儀当日は緊張しているうえ、故人への思いが込み上げてきて、予定していた言葉が出てこなくなることもあります。

そのため、原稿を用意しておくほうが安心です。

読むときは、ずっと下を向くのではなく、

「文章を見る」

「顔を上げる」

「参列者に向かって話す」

という動きを意識すると、落ち着いて話しやすくなります。


涙で話せなくなっても大丈夫

喪主挨拶では、故人との思い出を話しているうちに涙が出てしまうこともあります。

言葉が詰まったからといって、失敗ではありません。

一度深呼吸して、気持ちを落ち着けてから続きを話せば大丈夫です。

どうしても話せない場合は、無理に最後まで話そうとせず、短い言葉で締めても構いません。

例えば、

申し訳ありません。少し言葉が出てきませんので、これで挨拶とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。

と伝えることもできます。


喪主挨拶は「感謝」を中心に考える

喪主挨拶を作るときに迷ったら、まず次の3つを考えてみましょう。

「誰に感謝を伝えたいのか」

「故人はどんな人だったのか」

「故人との一番印象に残っている思い出は何か」

この3つが決まれば、文章はかなり作りやすくなります。

立派な文章にする必要はありません。

「今日は来てくださってありがとうございます」

「父はこんな人でした」

「これまで支えてくださってありがとうございました」

という気持ちを、順番に言葉にしていけば、十分に心のこもった喪主挨拶になります。


まとめ|喪主挨拶は基本の順番に沿えば作りやすい

喪主挨拶で何を話すか迷ったときは、次の順番を基本にするとよいでしょう。

①参列者へのお礼

②故人が亡くなったことへの報告

③故人の人柄や思い出

④生前お世話になった方への感謝

⑤遺族としての今後の思い

⑥結びの言葉

すべてを長く話す必要はありません。

1~3分程度を目安に、最も伝えたいことを簡潔にまとめましょう。

そして、喪主挨拶で最も大切なのは、上手に話すことではありません。

故人を見送ってくださる参列者への感謝と、故人への思いを伝えることです。

文章が途中で詰まってしまったり、涙で言葉が出なくなったりしても、それだけで失敗になるわけではありません。

自分らしい言葉で、故人への思いをゆっくり伝えましょう。

「文章を考えること自体が難しい」という場合は、故人の人柄や思い出、家族構成などを整理して、喪主挨拶の原稿作成を専門家に依頼する方法もあります。

大切な葬儀の準備に集中するためにも、文章作成の負担を減らすことを検討してみてもよいでしょう。

葬儀・告別式等の挨拶文を代筆いたします。