喪主挨拶とは?初めてでも分かる基本と流れ

大切な家族が亡くなり、突然「喪主」を務めることになったとき、
「喪主挨拶とは何を話せばいいのだろう?」
「いつ挨拶をすればいい?」
「原稿を見ながら読んでも失礼ではない?」
と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
葬儀は何度も経験するものではありません。そのため、初めて喪主を務める方が戸惑うのは当然のことです。
この記事では、喪主挨拶の意味や役割、挨拶をするタイミング、基本的な流れ、原稿の作り方まで、初めての方にも分かりやすく解説します。
喪主挨拶とは?
喪主挨拶とは、葬儀や告別式、通夜などで、喪主が遺族を代表して参列者に感謝を伝えるための挨拶です。
一般的には、次のような内容を伝えます。
- 葬儀に参列してくださったことへの感謝
- 故人が生前お世話になったことへの感謝
- 故人の人柄や思い出
- 遺族の今後について
- 今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉
ただし、すべてを必ず話さなければならないわけではありません。
特に家族葬などでは、短く感謝を伝えるだけでも十分です。
大切なのは、立派なスピーチをすることではなく、故人に代わって、そして遺族を代表して、参列者へ感謝の気持ちを伝えることです。
喪主挨拶はいつする?

喪主挨拶をする主なタイミングは、葬儀の形式によって異なります。
代表的なのは次の場面です。
1.通夜の終了後
通夜が終わったあと、参列者に対して感謝の言葉を伝える場合があります。
通夜振る舞いが行われる場合は、その前に挨拶をすることもあります。
2.告別式の終了時
告別式の終わりに、喪主が参列者へ感謝を伝えるのが一般的です。
多くの方が「喪主挨拶」と聞いてイメージするのは、この挨拶でしょう。
3.出棺前
故人との最後のお別れを終え、出棺する前に喪主が挨拶をすることもあります。
4.精進落としの前
火葬後の食事の席で、喪主が参列者や親族に感謝を伝える場合があります。
葬儀の流れは葬儀社や地域、宗教によって異なります。
事前に葬儀社の担当者へ、
「私はいつ、どの場面で挨拶をすればいいですか?」
と確認しておくと安心です。
喪主挨拶の基本的な流れ

喪主挨拶は、基本的に次の5つの流れで作るとまとまりやすくなります。
1.参列者への感謝
まずは、忙しい中、葬儀に参列してくださった方への感謝を伝えます。
例えば、
本日はご多用の中、父○○の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございました。
という形です。
2.故人への生前の厚情に対する感謝
続いて、故人が生前お世話になったことへの感謝を伝えます。
例えば、
生前中は皆様から格別のご厚情を賜りましたこと、家族一同、心より感謝申し上げます。
という内容です。
3.故人の人柄や思い出
必要に応じて、故人について少し触れます。
- どのような性格だったか
- 仕事に対してどのような人だったか
- 家族との思い出
- 好きだったこと
- 最後の日々
などを、簡潔にまとめるとよいでしょう。
ここが、もっとも「その人らしさ」が伝わる部分です。
4.遺族の気持ちや今後について
故人を失った遺族としての思いや、今後について伝えます。
例えば、
まだまだ悲しみは尽きませんが、これからは父が残してくれた思いを大切にしながら、家族で支え合ってまいりたいと思います。
というような形です。
5.最後の感謝と締めの言葉
最後に、改めて参列者への感謝を伝えます。
例えば、
本日は最後までお見送りいただき、誠にありがとうございました。今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げ、御礼のご挨拶とさせていただきます。
これで基本的な流れは完成です。
初めての方でも使いやすい喪主挨拶の基本例文
以下は、一般的な告別式で使いやすい基本的な例文です。
本日はご多用の中、亡き父○○の葬儀ならびに告別式にご会葬いただき、誠にありがとうございました。
また、生前中は皆様より温かいご厚情を賜りましたこと、家族一同、心より御礼申し上げます。
父は生前、多くの方々に支えられながら、家族とともに穏やかな日々を過ごしてまいりました。こうして多くの皆様にお見送りいただき、父もさぞ感謝していることと思います。
残された私どもは、まだ深い悲しみの中におりますが、父が残してくれた思いを大切にしながら、家族で力を合わせてまいります。
本日は最後までお見送りいただき、誠にありがとうございました。皆様から賜りましたご厚情に、改めて心より感謝申し上げます。
故人との関係や人柄、具体的な思い出を加えることで、より気持ちのこもった挨拶になります。
喪主挨拶は何分くらいがいい?
一般的には、2分から3分程度を目安にするとよいでしょう。
文字数でいうと、おおよそ次の程度です。
- 1分:約250~300文字
- 2分:約500~600文字
- 3分:約750~900文字
ただし、これはあくまでも目安です。
長ければ良いというものではありません。
葬儀の場では、参列者も長時間にわたって故人を見送っています。そのため、簡潔で分かりやすい挨拶のほうが気持ちは伝わりやすいでしょう。
原稿を見ながら読んでも大丈夫?
原稿を見ながら読んでも問題ありません。
むしろ、初めて喪主を務める場合や、故人への思いが強く感情的になりそうな場合は、原稿を用意しておくことをおすすめします。
無理に暗記しようとすると、
- 緊張して言葉を忘れる
- 話が長くなる
- 大切なことを伝え忘れる
といったことがあります。
原稿を見ながら、ゆっくり、落ち着いて読むだけで十分です。
途中で涙が出てしまっても、慌てる必要はありません。
少し間を置き、気持ちを落ち着かせてから続きを読めば大丈夫です。
喪主挨拶で気をつけたいこと
長くしすぎない
伝えたいことが多くても、長すぎる挨拶は避けましょう。
思い出をたくさん入れる場合も、特に印象的な出来事を1つか2つに絞るとまとまりやすくなります。
難しい言葉を無理に使わない
普段使わないような難しい言葉を並べる必要はありません。
自分らしい言葉で、素直に感謝を伝えることが大切です。
葬儀で避ける言葉に注意する
葬儀では、不幸が繰り返すことを連想させる「重ね重ね」「再び」「またまた」など、避けたほうがよいとされる表現があります。
また、宗教によって使用する言葉が異なる場合もあります。
原稿を書き終えたら、一度、葬儀社の担当者などに確認してもらうと安心です。
喪主挨拶を書くときのポイント
初めて原稿を書く場合は、次の4つだけをメモしてみてください。
1.故人はどのような人だったか
2.一番印象に残っている思い出は何か
3.故人が大切にしていたことは何か
4.参列者に一番伝えたい感謝の気持ちは何か
この4つを書き出すだけでも、その人らしい挨拶を作りやすくなります。
完璧な文章を最初から書こうとしなくても大丈夫です。
まず思い出や気持ちを箇条書きにしてから、文章としてまとめていきましょう。
喪主挨拶がどうしても書けない場合は?
大切な家族を亡くした直後は、気持ちの整理がつかず、文章を書く余裕がないこともあります。
また、
「伝えたいことはたくさんあるのに、うまく文章にできない」
「明日が葬儀なのに原稿が完成していない」
という方も少なくありません。
そのような場合は、家族や葬儀社に相談したり、葬儀挨拶の作成サービスを利用したりする方法もあります。
故人との思い出や人柄を伝えることで、気持ちを整理しながら文章としてまとめてもらうこともできます。
無理をして一人ですべてを抱え込む必要はありません。
まとめ|喪主挨拶は「上手に話すこと」より感謝を伝えることが大切
喪主挨拶は、初めて経験する方にとって大きな負担に感じられるかもしれません。
しかし、特別に立派なスピーチをする必要はありません。
基本的には、
- 参列者への感謝
- 生前お世話になったことへの感謝
- 故人の人柄や思い出
- 遺族の気持ち
- 最後の感謝
という流れでまとめれば、十分に気持ちの伝わる挨拶になります。
大切なのは、完璧な言葉を並べることではなく、故人への思いと、参列してくださった方への感謝を、自分なりの言葉で伝えることです。
もし、故人との思い出をうまく文章にまとめられない場合や、葬儀まで時間がなく急いで原稿を用意したい場合は、プロに相談することも一つの方法です。
大切な人を心を込めて見送るために、自分にとって無理のない方法で喪主挨拶を準備しましょう。
