親族代表挨拶の例文|基本構成と書き方

葬儀や告別式で「親族代表として挨拶をお願いします」と頼まれたものの、
「何を話せばいいのか分からない」
「どのくらいの長さにすればいい?」
「故人との思い出をどう文章にすればいい?」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
親族代表挨拶は、葬儀に参列してくださった方への感謝を伝えるとともに、故人を偲び、遺族の気持ちを伝える大切な挨拶です。
ただし、難しい文章にする必要はありません。
基本的な構成に沿って、参列者へのお礼、故人への思い、今後も変わらないお付き合いへのお願いなどを簡潔にまとめれば、落ち着いた挨拶に仕上げることができます。
この記事では、親族代表挨拶の基本構成、書き方、時間や文字数の目安、立場別の例文、避けたい表現について詳しく解説します。
親族代表挨拶とは?
親族代表挨拶とは、葬儀や告別式などで、遺族・親族を代表して参列者に感謝を伝える挨拶です。
喪主本人が挨拶をする場合もありますが、喪主以外の親族が代表して挨拶をすることもあります。
例えば、
- 故人の長男
- 故人の次男
- 故人の長女
- 故人の兄弟姉妹
- 故人の甥・姪
- その他の近親者
などが親族代表として挨拶する場合があります。
挨拶では、参列していただいたことへのお礼を中心に、故人の人柄や思い出などを簡潔に伝えます。
親族代表挨拶の基本構成
親族代表挨拶は、次の5つの流れで考えると書きやすくなります。
基本構成
- 自己紹介
- 参列へのお礼
- 故人についての簡単な紹介
- 故人との思い出や感謝
- 結びの言葉
この順番にすると、話がまとまりやすくなります。
1.自己紹介
最初に、自分が故人とどのような関係にあるのかを簡単に伝えます。
例えば、
「私は故人の長男の○○でございます。」
「私は故人の弟にあたります○○でございます。」
などです。
長々と説明する必要はありません。
2.参列へのお礼
続いて、葬儀に参列していただいたことへの感謝を伝えます。
例えば、
「本日はお忙しい中、故人○○のためにご会葬いただき、誠にありがとうございます。」
という形です。
遠方から来てくださった方が多い場合は、
「遠方よりお越しいただきました皆様にも、心より御礼申し上げます。」
と加えてもよいでしょう。
3.故人について簡単に紹介する
次に、故人がどのような人だったのかを簡単に伝えます。
例えば、
「父は生前、人とのつながりを何よりも大切にする人でした。」
「母はいつも家族のことを第一に考え、明るく私たちを支えてくれました。」
などです。
ここでは、故人の性格や仕事、趣味、家族への思いなどを一つに絞って紹介すると、聞く人にも伝わりやすくなります。
4.故人との思い出や感謝を伝える
親族代表挨拶では、故人との具体的な思い出を一つ入れると、よりその人らしい挨拶になります。
例えば、
「私が仕事で悩んでいたとき、父はいつも黙って話を聞き、最後には『自分らしくやればいい』と励ましてくれました。その言葉は今でも私の心に残っています。」
このように、具体的なエピソードを一つ入れるだけでも、故人の人柄が伝わります。
思い出をたくさん入れる必要はありません。
「最も伝えたい思い出」を一つ選ぶことがポイントです。
5.結びの言葉
最後に、参列者への改めてのお礼と、今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉などを述べます。
例えば、
「最後になりましたが、故人が生前賜りましたご厚情に、改めて御礼申し上げます。これからも私ども遺族に変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げ、親族を代表してのご挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。」
このように締めると、自然に挨拶を終えることができます。
親族代表挨拶の基本例文

まずは、一般的な葬儀・告別式で使いやすい例文をご紹介します。
【例文】
本日はお忙しい中、故人○○の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございます。
私は故人の長男の○○でございます。親族を代表いたしまして、一言ご挨拶申し上げます。
父は生前、人とのつながりを大切にする人でした。家族に対してもいつも温かく接し、私たちが困ったときには、いつも静かに支えてくれました。
私自身、これまで父から多くのことを学び、支えてもらいました。今こうして父を見送ることになり、寂しさは尽きませんが、父から受け取ったものをこれからも大切にしていきたいと思っております。
生前、父に賜りました皆様の温かいご厚情に、家族一同、心より感謝申し上げます。
最後になりましたが、今後とも私ども遺族に変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げ、親族代表の挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
短い親族代表挨拶の例文
葬儀の規模が小さい場合や、簡潔に挨拶を済ませたい場合は、短い文章でも問題ありません。
【短い例文】
本日はお忙しい中、故人○○のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
私は故人の長男の○○でございます。
生前、故人が皆様からいただきました温かいご厚情に、遺族を代表して心より御礼申し上げます。
これからは故人から受け継いだ思いを大切にしながら、家族一同支え合ってまいりたいと思います。
今後とも変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げ、親族代表の挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
長男がする親族代表挨拶の例文
故人の長男が親族を代表して挨拶する場合の例です。
【例文】
本日はご多用の中、父○○の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございます。
私は故人の長男の○○でございます。親族を代表いたしまして、一言ご挨拶申し上げます。
父は家族思いの人で、私たちが幼い頃から家族を支えてくれました。私が人生のことで悩んだときにも、いつも話を聞き、温かく励ましてくれたことを覚えております。
父から受けた愛情や教えを胸に、これからは家族で力を合わせて歩んでいきたいと思っております。
生前、父に寄せていただきました皆様の温かいお気持ちに、家族一同、心より感謝申し上げます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げ、親族代表の挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
長女がする親族代表挨拶の例文
【例文】
本日はお忙しい中、母○○のためにお越しいただき、誠にありがとうございます。
私は故人の長女の○○でございます。親族を代表いたしまして、ご挨拶申し上げます。
母はいつも家族のことを第一に考え、私たちを温かく見守ってくれる存在でした。私が困ったときにはいつも相談に乗ってくれ、母の言葉に何度も励まされてまいりました。
これから母がいないことを寂しく感じることも多いと思いますが、母からもらった愛情を胸に、家族で支え合っていきたいと思います。
生前、母がお世話になりました皆様に、心より御礼申し上げます。
今後とも私ども遺族に変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げ、親族代表の挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
親族代表挨拶は何分くらいが適切?
親族代表挨拶は、1~3分程度を一つの目安にするとまとめやすいでしょう。
長すぎる挨拶は参列者の負担になるため、伝えたいことを絞ることが大切です。
目安としては、
| 挨拶時間 | 内容の目安 |
|---|---|
| 1分 | お礼+簡単な結び |
| 2分 | お礼+故人の人柄+結び |
| 3分 | お礼+思い出+感謝+結び |
| 5分以上 | 内容を整理して短縮を検討 |
実際の時間は話す速度によって変わるため、完成した原稿を一度声に出して読んでみると安心です。
親族代表挨拶は原稿を見ながら読んでもいい?
はい。挨拶の原稿を見ながら読むこと自体は問題ありません。
大切なのは、無理に暗記することではなく、参列者に感謝の気持ちをきちんと伝えることです。
原稿を持つ場合は、下を向いたまま読み続けるのではなく、
原稿を見る → 顔を上げる → 参列者を見る → 話す
という流れを意識すると、落ち着いた印象になります。
親族代表挨拶を書くときのポイント

1.伝えたいことを一つに絞る
故人との思い出を何個も詰め込むと、話が長くなってしまいます。
「故人の優しさ」
「家族への愛情」
「仕事への姿勢」
「趣味」
「周囲への感謝」
などから、一番伝えたいものを一つ選びましょう。
2.具体的なエピソードを入れる
「優しい人でした」だけでは、少し抽象的です。
例えば、
「毎朝、家族より先に起きて朝食を準備してくれました。」
など、具体的な出来事を入れると故人の人柄が伝わります。
3.無理に感動的な文章にしない
親族代表挨拶だからといって、特別に立派な文章を書く必要はありません。
故人との思い出を、自分の言葉で素直に伝えることが大切です。
4.長くなりすぎない
「もっと伝えたい」と思って文章を追加していくと、挨拶が長くなりがちです。
一度原稿を書いたら、
「この一文は本当に必要か?」
と確認してみましょう。
親族代表挨拶で避けたい言葉
葬儀の挨拶では、一般的に「忌み言葉」や不幸が重なることを連想させる表現を避けます。
例えば、
- 重ね重ね
- たびたび
- またまた
- 再び
- くれぐれも
- 次々に
- 引き続き
などです。
ただし、宗教・地域・葬儀形式などによって考え方が異なる場合もあります。
迷ったときは、葬儀社や宗教者などに確認すると安心です。
親族代表挨拶で避けたい内容
次のような内容は、できるだけ避けたほうがよいでしょう。
過度に長い思い出話
参列者全員に関係する内容を中心にすると、聞きやすくなります。
故人のプライベートな事情
本人や遺族が公表したくない情報を話すのは避けましょう。
病気の詳細
病名や治療内容などは、必要以上に詳しく話す必要はありません。
自分の話ばかりする
親族代表挨拶では、自分自身の話よりも故人への思いや参列者への感謝を中心にします。
親族代表挨拶の原稿を作るためのテンプレート
文章を一から考えるのが難しい場合は、次のテンプレートに沿って書いてみましょう。
本日は【お忙しい中/ご多用の中】、故人【故人の名前】のためにご会葬いただき、誠にありがとうございます。
私は故人の【続柄】の【自分の名前】でございます。親族を代表いたしまして、ご挨拶申し上げます。
故人は【故人の人柄】な人でした。
特に印象に残っているのは、【具体的な思い出・エピソード】です。
私たちはこれからも【故人から受け継いだもの・思い】を大切にしていきたいと思っております。
生前、故人に賜りました皆様のご厚情に、心より御礼申し上げます。
今後とも【遺族・家族】に変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げ、親族代表の挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
このテンプレートに故人との具体的なエピソードを入れるだけでも、オリジナルの親族代表挨拶を作ることができます。
親族代表挨拶を書く時間がない場合は?
葬儀の準備中は、葬儀社との打ち合わせ、親族への連絡、各種手続きなどが重なり、挨拶文までじっくり考える時間がないこともあります。
また、故人を亡くした直後は気持ちが整理できず、「文章を書く」という作業そのものが難しい場合もあります。
そのようなときは、無理に一人で文章を完成させる必要はありません。
例えば、
- 故人の名前
- 自分との関係
- 故人の人柄
- 印象に残っている思い出
- 家族への思い
- 参列者へ伝えたい感謝
などを箇条書きにして、文章作成を依頼する方法もあります。
親族代表挨拶をプロに依頼する方法
「明日が葬儀なのに文章ができていない」
「自分で文章を書くのが難しい」
「故人との思い出をきちんとした言葉にまとめたい」
という場合は、葬儀挨拶の文章作成を専門サービスに依頼する方法もあります。
プロに依頼する場合は、故人との関係や人柄、思い出などを伝えることで、形式的な文章ではなく、故人らしさを盛り込んだ挨拶文を作成してもらいやすくなります。
まとめ|親族代表挨拶は「感謝」と「故人への思い」を簡潔に
親族代表挨拶は、難しい文章を書くことが目的ではありません。
基本的には、
①自己紹介
②参列者へのお礼
③故人の人柄
④思い出や感謝
⑤結びの言葉
という流れで構成すれば、まとまりのある挨拶になります。
特に大切なのは、故人との具体的な思い出を一つ入れることです。
立派な言葉を並べるよりも、故人との思い出を自分自身の言葉で伝えるほうが、聞く人の心にも伝わりやすくなります。
葬儀の準備で時間がない場合や、気持ちが整理できず文章にするのが難しい場合は、無理に一人で作成する必要はありません。
故人との思い出や伝えたい気持ちを箇条書きにするだけでも、そこから挨拶文を組み立てることができます。
